fsyncシステムコール

fsyncシステムコールを用いてファイル単位でキャッシュされているデータをディスク上に書き込むことができる。vfs sys_fsync関数でファイルディスクリプタに対応するファイル構造体と、dentryを検索し、ファイル構造体に登録されているfsyncオペレーションを呼び出す。

ext2ファイルシステムでは、 ext2_fsync関数が呼び出される。ブロックの書き込みルーチンは2回づつ呼び出される。一度目のループは純粋にI/Oを発行し、2回目のループではバッファの状態をチェックしているだけで、特に何もしていない。

   ext2_fsync(ファイル構造体、dentry)
      for(待ち無し、待ちあり) {
         直接ブロックの内容をディスクに書き込む(sync_direct関数)
         間接ブロックと間接ブロックに登録されているデータブロックの内容を
              ディスクに書き込む(sync_indirect関数)
         二段間接ブロックに継っているすべて(間接ブロック、データブロック)の
              内容をディスクに書き込む(sync_dindirect関数)
         三段間接ブロックに継っているすべて(間接ブロック、データブロック)の
              内容をディスクに書き込む(sync_tindirect関数)
      }
      iノードをディスクに書き込む(ext2_sync_inode関数)

問題点

  1. ext2_fsync関数は全てのブロックとiノードに対してディスクへの 書き込み要求を出しているが、I/O完了を確認しているのは iノードの書き込みだけである。fsync完了時には ディスクへの書き込み処理の完了が保証できない。 (2回目のループでは、I/O完了を待つべきだと思われる)
  2. 現在の調査対象の版(v2.2.5)では、sys_fdatasyncも完全に sys_fsyncと全く同じ動作をする。性能上のメリットは無い。

(NIS)HirokazuTakahashi
2000年06月11日 (日) 22時29分57秒 JST
1