[JM:00353] Re: [POST:DP] man man2html.1

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長南洋一 cyoic****@maple*****
2011年 8月 27日 (土) 12:31:21 JST


長南です。

立花さんのメールより [JM:00351]
>
> | > .\"O On a machine without running
> | > .\"O .BR httpd ,
> | > .\"O one can use
> | > .\"O .B lynx
> | > .\"O to browse the man pages, using the lynxcgi method.
> | > .\"O When some http daemon is running, lynx, or any other browser,
> | > .\"O can be used to browse the man pages, using the http method.
> | > .\"O The option \-l (for `lynxcgi') selects the former behaviour.
> | > .\"O With it, the default cgipath is \fI/home/httpd\fP.
> | > .B httpd
> | > が稼動していないマシンでは、
> | > .B lynx
> | > で lynxcgi を用いればマン・ページを閲覧することができます。
> | > http デーモンが稼動している場合は、 lynx でも他のブラウザでも閲覧でき
> | > ます。オプション \-l (`lynxcgi' の意味) は前者を選択します。これを指定
> | > すると、デフォルトの cgipath は \fI/home/httpd/\fP になります。
>   :
> | このへん実際の経験がないので、間違えているかもしれませんが、
> | 「lynx で lynxcgi を用いれば」は語順が逆なんじゃないでしょうか。
> | 
> |   httpd が稼働していないマシンでは、lynxcgi メソッドを使用すれば、
> |   lynx で man ページを閲覧することができます。http デーモンが稼動
> |   している場合は、http メソッドを使えば、lynx でも他のブラウザでも
> |   man ページの閲覧が可能です。オプション -l (`lynxcgi' を意味する)
> |   は前者の動作を選択します。その場合、デフォルトの cgipath は
> |   /home/httpd になります。
> 
> lynxcgi が効くのは、lynx だけのようです。
> lynx で閲覧できるようにするための説明のようなので、
> 「lynx で lynxcgi を用いれば」で合っているのではないかと。
> lynxcgi *メソッド* 、http *メソッド* といきなり出てくるメソッドって
> 何、と読み返してみると
> <method:cgipath><man2htmlpath><separator><manpage>
> の method のところを指しているのかな。
> 従来の和訳では、文中の method はあえて訳出せずにいるのはそのへんを
> 嫌ったのかもしれません。
> 
> この部分、元のままから変更せずとも良いかな、と思います。

これについて、すこし議論します (と言いつつ、長くなりそうですが)。

まず、メソッドについては、おっしゃるとおり、

  参照先が man ページであるハイパーリンクは、一般に以下のような
  形式で生成されます。

        <method:cgipath><man2htmlpath><separator><manpage>

で一般的な説明がなされています。また、オプション -h, -H, -l, -L の
説明にも出てきます。たとえば、

  -h   method:cgipath を http://localhost にします。デフォルトです。

  -l   method:cgipath を lynxcgi:/home/httpd に設定します。

Wikipedia JP では、URL のこの部分を「スキーム」と呼んで
いました。「スキーム」が普通の表現なら、前訳者が「メソッド」を
省略して訳したのも、確かにわからないこともありません。
でも、少なくともこのマニュアル内では「メソッド」で通しているので、
「メソッド」という言葉を使っても、よいのではないかと思います。

「メソッド」を「method」とした方が、言葉の連絡がよかったかも
しれません。でも、「lynxcgi method を使用すれば」と書くのも
何か変ですし。

本題に入ります。現行の訳はこうなっています。

  httpd が稼動していないマシンでは、lynx で lynxcgi を用いれば、
  man ページを閲覧することができます。

わたしにはこの文章がよくわかりませんでした。lynx を使うのは、
html 版の man ページを読もうとするユーザで、lynxcgi メソッドを
用いるのは (言い換えれば、html 版 man ページ中のリンクを
http://localhost ではなく、lynxcgi:/home/httpd にするのは)、
html 版 man ページを用意する管理側でしょう (cgi スクリプト中で
動的に変換するとしても)。「lynx で lynxcgi を用いれば」というのは、
どういうことなんでしょうか。

何度も考えて、やっと気がつきました。現行訳の「lynx で lynxcgi を
用いれば」というのは、「ユーザが lynx を使って、http://localhost
ではなく、lynxcgi://home/httpd のリンクの方をたどれば」という
意味なんですね。確かに、その解釈はあると思います。でも、「lynx で
lynxcgi を用いれば」という表現は曖昧だとも思います。

現行の訳文は method を省略しているだけではなく、

  When some http daemon is running, lynx, or any other browser,
  can be used to browse the man pages, using the http method.

の「using the http method.」も省略しています (これを省略しては
まずいと思うのですが)。原文は、lynxcgi method と http method を
はっきり対照した、次のような構造になっています。

  On a machine without running httpd,
  ...
  using the lynxcgi method.

  When some http daemon is running,
  ...
  using the http method.

すなわち、このパラグラフは lynxcgi メソッドと http メソッドの
使い分けを説明しているのだと思います (言い換えれば、-l 系と
-h 系のオプションの補足説明です)。

そこで、現行訳の解釈 (おそらくそうだろうと、わたしが推測する解釈
ですが) を使って、わたし流に訳し直してみました。

  httpd が稼働していないマシンでも、lynx を使い、lynxcgi メソッドを
  使用すれば、man ページを見て回ることができます。
  何らかの http デーモンが動いている場合は、lynx でも他の
  ブラウザでも、http メソッドを使用すれば、man ページを見て回れます。
  オプション -l (`lynxcgi' の意味) は前者を選択します。これを
  指定すると、デフォルトの cgipath は /home/httpd になります。  

# これでも、曖昧と言えば曖昧ですけれど。

# browse は普通「閲覧」と訳すのでしょうが (あるいは、ブラウズと
# カタカナにして置くか)、ここでは the man pages と複数ですし、
# 「見て回る」の方が感じが出る気がするので、そうしてみました。

# なお、using the lynxcgi method などを分詞構文ではなく、
# the man pages を修飾する形容詞句だと取る解釈もあると思います。
# 間にコンマがあるので、ちょっと無理ぎみな解釈ですが。

わたしとしては、自分の前の解釈の方が自然だろう、と思っています。
ただ、そう取ると、分詞構文の主語と主節の主語が、別人になってしまう
という欠点があることも承知しています (日常の表現では、そうした
文法上の破格もときどきあるものだと思いますが)。そんなわけで、
長々と書いてきましたが、「まあ、ご参考まで」というところです。


細かい話ですから、どうでもよいと言えば、どうでもよいのですが、
ついでですから、書いておきます。

> .\"O (The first of these can be tuned by options - see below.)

> (上に列挙した最初のものについてはオプションによって変更できます - 以下の記述を参照のこと)

tune というのは、「(ピアノを) 調律する、(エンジンを) 調整する、
(波長を) 同調させる」というふうに使いますから、「変更する」だけ
では強すぎるのではないかと思います。「オプションによって細かい
変更 (あるいは、調整) が可能です」ぐらいではないでしょうか。

-- 
長南洋一




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