IPAexフォント(Ver.001.01)リリース

固定幅文字とプロポーショナル幅(変動幅)文字の統合

「IPA明朝・IPA P明朝」および「IPAゴシック・IPA Pゴシック」をそれぞれ一つのフォントに統合した「IPAex明朝」、「IPAexゴシック」を新規に開発しました。和文文字(仮名、約物、漢字)は固定幅で、欧文文字は文字幅に合せた幅(変動幅)を基本としたドキュメント用日本語フォントの標準的な実装を行いました。

一層の可読性向上を目指した、文字デザインの変更

「IPAexフォント」は「IPAフォント」の文字デザインを踏襲しつつ、以下の様なデザイン変更を行いました。

  • IPAex明朝の仮名デザイン、IPAexゴシックの濁点のデザインを全面見直し
  • 数学記号全般を視覚的に違和感のないようにデザイン統一
  • 一部の固定幅(全角サイズ)でデザインされた欧文グリフを変動幅に設定
  • 矢印、幾何学模様、その他の記号類などを固定幅(全角サイズ)に合せて最適化
  • U+0361(COMBINING DOUBLE INVERTED BREVE)とU+203F(UNDERTIE)の修正。この2つの字形は、標準的な和文書体と文字送り幅が異なっていたため、適切なデザインに修正しました。

一部キャラクタの仕様変更(円記号、バックスラッシュ)

「IPAフォント」では、U+005CとU+00A5の双方に重複して円記号“¥”を割り当てています。しかし、「IPAexフォント」では、多様なプラットフォームでの使用を前提とした国際的な相互運用性を重視し、Unicodeの仕様通りU+005Cにバックスラッシュ、U+00A5に円記号“¥”を割り当てました。

JIS0213:2004制定時に字体変更された文字の旧字体を異体字として収容

IPAexフォントは、JIS X 0213:2000からJIS X0213:2004に規格が更新された際に変更された字形について、新旧双方の字形を、IVS(Ideographic Variation Sequence)方式で収録しています。対象文字数は171文字です。

使用頻度の高い記号類を新規作成して収録

UnicodeのCJK Symbols、CJK Compatibility Symbols、Enclosed CJKにおける使用頻度の高い文字(AJ1-6に存在する文字)、202文字を新規に収録しました。