TAMURA Toshihiko
tamur****@bitsc*****
2004年 9月 10日 (金) 11:14:28 JST
こんにちは、田村です。 osCommerce 2.2 MS1に対応するAffiliateプログラム OSC-Affiliate の"日本語完全対応版"とその配布方法が 話題になっているようですが、その件につきまして。 事情を聞いたところでは、次のようなことのようです。 o osCommerceの設置代行を行なってビジネスにしている会社がある。 o 設置代行のオプションとしてOSC-Affiliateが設定されている。 OSC-Affiliate は oscommerce.com のContributions で公開 (ContributionsはGPLライセンスで公開されている) o OSC-Affiliateのローカライズはその会社が行なった。 o 設置代行を依頼しないとOSC-Affiliateは公開されない。 「もともとGPLで公開されているモジュールが、なぜ一般に公開されないんだ」 「代金を支払わないと配布しないのはGP違反だL」 といった声があるんですが、それはGPLに期待しすぎているというか、 誤解していると思います。 GPLで強制されるのは、誰かにプログラムを受け渡すときに、ソースコードも 渡さなければならないということです。また、改変したプログラムについても GPLで再配布しなければなりません。 これによって、バグフィックスや改良を他のユーザと共有することができます。 具体的には次のように書かれています。 > 私たちがフリーソフトウェアと言うとき、それは利用の自由について言及し > ているのであって、価格は問題にしていません。私たちの一般公衆利用許諾 > 契約書は、あなたがフリーソフトウェアの複製物を頒布する自由を保証する > よう設計されています(希望に応じてその種のサービスに手数料を課す自由 > も保証されます)。また、あなたがソースコードを受け取るか、あるいは望 > めばそれを入手することが可能であるということ、あなたがソフトウェアを > 変更し、その一部を新たなフリーのプログラムで利用できるということ、 > そして、以上で述べたようなことができるということがあなたに知らされる > ということも保証されます。 http://www.opensource.jp/gpl/gpl.ja.html 今回の、モジュールを有料で配布する行為も、GPLで認められていることです。 このモジュールはPHPですから、ソースコードが受け渡されているはずですので、 売り方は少し不自然ですが、GPLを1対1で商行為に適用したものに見えます。 モジュールがGPLであることを設置代行の依頼者に伝えて、依頼者がこの モジュールを第三者に自由に再配布することを妨げるような契約もないので あれば、GPLには違反していないと思います。 GPLの第3項には、実行形式のプログラムを商用で配布する場合には、 無関係の第三者にもソースコードを配布すべきということが書かれていますが、 これは、実行形式のプログラムを間接的に受け取った人々もソースコードを 入手することができるように配慮されたものです。 そもそもソースコードで配布されている場合には、これは適用されません。 GPL上は問題がないとしても、コミュニティで公開されている成果を 一方的に商売に利用されるのは納得がいかないという意見もあるでしょう。 その感覚を今後に生かすとすれば、日本のコミュニティの活動を活発にして、 日本語版のローカライズのスピードを上げたり、 作成またはローカライズしたモジュールを多く公表するなどして、 ユーザのニーズに応えることなんだと思います。 これについては、改めて体制作りにをテーマにして意見を交換したいと 思います。 -- 田村敏彦 / 株式会社ビットスコープ E-mail:tamur****@bitsc***** http://www.bitscope.co.jp/