[JM:03682] Re: ライセンス条項の遵守、または著作物利用許諾

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長南洋一 cyoic****@maple*****
2022年 5月 17日 (火) 21:38:26 JST


長南です。

matsuand さんのメール [JM:03662] より 
>
> ここで気にかかる問題点は、すこし手を加えた、というところです。
>
> ご説明の様子から、原著作者に使用の承諾を事前に得たものと推察
> しますが、そのときに加工することについても承諾を得ていますか?
>
> もし万が一、承諾を得ていなかったとしたら、
> 著作権法上で言う翻案権の侵害に該当します。

まず、次の三点を押さえておきたいと思います。

1. 日本の tar ユーザにとって manpage でも警告メッセージは日本語に
   なっていた方がよい。
2. tar を使ったときに実際に出る警告メッセージと、manpage の説明に
   ある警告メッセージは、できるだけ同文であるべきだ。
   (だから、メッセージカタログの訳を使わずにはいられないわけです。)
3. しかし、実際に出る警告メッセージに誤訳があったら、さすがにそれは使えない。

本題に入ります。
使用について承諾を得ることはしていません。

メッセージカタログの警告メッセージを使用するのは、基本的に引用です。
ですから、そのまま使う場合は、引用元を明示しさえすれば、問題なく使えます。

そして、「手を入れる」ことについては、「ただし、このマニュアル内で
読みやすいように、すこし手を加えたところもあります。ご了承ください」
と断っています。メッセージカタログの翻訳者から何も言ってこなければ、
承知していると見なしておくことができますし、「承知しない」と抗議されたら、
「失礼しました」と言って、英語原文に戻せばすむわけです。厳密に言えば
穴があるでしょうが、実際上は、それで十分だと思います。

「俺の誤訳をよくも正しく直しやがったな」とねじ込んでくる人も、
まさかいないでしょうし。

なお、tar のメッセージカタログ ja.po には、「# This file is distributed
under the same license as the tar package." と書いてありますから、
ライセンスは GPLv3 です。ですから、GPL における modification と考えても、
メッセージの文言の変更は可能でしょう。難しいのは、こういう一部の引用を
変更する場合、ライセンスの要求にどういう形で答えるかですが、独立した
セクションを作って、「断り書き」を書いておくのは一つの行き方だろうと思います。

-- 
長南洋一



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