Masakazu Takahashi
emasa****@gmail*****
2017年 3月 7日 (火) 22:26:59 JST
高橋(emasaka)です。 長南さんから以前、返信元の際には原文をできるだけ付けるよう言われたこと を思い出したので([JM:00431])、全文引用で。 2017-03-06 21:28 GMT+09:00 長南洋一 <cyoic****@maple*****>: > 長南です。 > > 三回に分けます。2.27 の draft を対象にしています。 > パッチを順番に見ていきましたから、取り上げる順番は基本的にパッチによって > いますが、別のパッチに同じ部分があるときは、一ヶ所にまとめました。 > > ○ -d ACTION, --directories=ACTION の項 > > If an input file is a directory, use ACTION to process it. > ... If ACTION is recurse, read all files under each directory, > recursively, following symbolic links only if they are > on the command line. > > 入力ファイルがディレクトリの場合に、 ACTION を使ってその処理を行います。 > ... ACTION が recurse なら、 grep は各ディレクトリの下にあるすべての > ファイルを再帰的に読み込みます。 コマンドラインの場合はシンボリックリンク > を追跡します。 > > only の訳が抜けています。ここは、シンボリックリンクが再帰検索中に出会うものか、 > コマンドラインで指定されたものかによって、動作が違うと言っているのですから > (前者は辿らない。後者は辿る)、only を生かし、何が「コマンドラインの場合」 > かをはっきりさせて、たとえば、こんな風にした方がよいと思います。 > > ただし、シンボリックリンクを辿るのは、それがコマンドラインで指定されたとき > だけです。(「ただし」は、なくてもよいかも。「辿る」「追跡」はどちらもあり。) いただいた案をもとに、指示代名詞の多用を避けて以下のように変更しました。 ただし、シンボリックリンクはコマンドラインで指定されたときにのみ たどります。 ちなみに、「たどる」の表記は Apache httpd の日本語ドキュメントを参考に しました。 > ○ -r, --recursive の項にも、上とまったく同文の箇所があります。 同様に変更しました。 > -r では、それほか、この部分も。 > > Note that if no file operand is given, grep searches > the working directory. > > 対象ファイルが与えられなかった場合には grep は現在のディレクトリを探すこ > とに注意してください > > operand は訳しにくい言葉だと思っていましたが、「対象」と訳せばよいのですね。 > ただ、「対象」だけでは、限定がちょっと足りず、わかりにくい気がします。 > 補足して、「検索対象のファイル」とか「処理対象のファイル」くらいでしょうか。 > 「与える」でもよいけれど、「指定する」もあります。 「対象ファイルが与えられなかった場合には」を「検索対象のファイルが指定 されなかった場合には」に変更しました。 > なお、文末の「。」が > 抜けています。 「。」を追加しました。 > ○ -R, --dereference-recursive の項目が独立していません。 > たぶん .BR \-R ", " \-\^\-dereference\-recursive の上にあった > .TP の行が消えてしまったのだと思います。 .TP の行を追加しました。 > ○ 「文字クラスと角括弧式」の説明の部分。 > > Finally, certain named classes of characters are predefined > ... For example, [[:alnum:]] means the character class of > numbers and letters in the current locale. > > 最後に、角括弧式内で使えるように、... > たとえば、[[:alnum:]] は 現在のロケールの文字クラスで数字とアルファベットを > 意味します。 > > [[:alnum:]] は日本語の漢字や仮名にも使えるので、この letters は「文字」です。 「アルファベット」を「文字」に変更しました。 > ○ 「繰り返し」の {,m} > > This is a GNU extension. > > これは GNU 拡張です。 > > 「GNU の、GNU による」などの方が自然では。 たとえば sed.1 では「GNU 拡張」という用語で統一されているため、 sed.1 と用語を統一して、そのままにしたいと思います。 > ○ 環境変数の GREP_OPTIONS > > this feature will be removed in a future release of grep, > and grep warns if it is used. and grep warns if it is used. > > この機能は grep の将来のリリースで削除されることになっており、 使われると > grep が警告を表示します。 > > 細かいことですが、「使用すると」と能動態にした方が、文章がわかりやすいと思います。 「使用すると」に変更しました。 > ○ EXIT STATUS > > 最近は、見出しの EXIT STATUS を「返り値」ではなく、「終了ステータス」と > 訳すことが多いようです。 「終了ステータス」に変更しました。 > Normally the exit status is 0 if a line is selected, 1 if no > lines were selected, and 2 if an error occurred. However, > if the -q or --quiet or --silent is used and a line is selected, > the exit status is 0 even if an error occurred. > > 通常では、指定した行が見つかったときの終了ステータスは 0 であり、 見つ > からなかったときは 1 であり、エラーが起きた場合は 2 です。 ただし、-q, > --quiet , --silent といったオプションが使われていて、指定した行が見つ > かったときは、 エラーが起きたときでも終了ステータスは 0 です。 > > 「ユーザが select した行」と見て、「(ユーザが条件を) 指定した行」と > なさったのでしょうか。でも、このマニュアルでは、select という言葉は、 > マッチする部分が存在する行を grep が選択するという意味で使われています > (-v, -w, -x を参照。-v の場合は、マッチしない行を選択する)。 > ですから、ここは、「(grep によって) 選択される行があるときは」ぐらいでは > ないでしょうか。grep が選択するというのは、条件にマッチしたということ > ですから、いっそのこと「マッチする行があったときは」と言ってしまっても > よいかもしれません。-v の場合に苦しいのですけれど。 > > 訳例を挙げます。 > > 通常では、選択される行が存在したときの終了ステータスは 0 であり、 > 存在しなかったときは 1、エラーが起きたときは 2 です。ただし、-q, > --quiet, --silent といったオプションが使われているときに、 > 選択される行があった場合は、エラーが起きても、終了ステータスは 0 に > なります。 > > 「選択する、選択される、選択された」は、どれにしようか迷っています。 「指定した行」を「選択される行」に変更しました。 > ○ -P, --perl-regexp > > Interpret the pattern as a Perl-compatible regular expression > (PCRE). > > パターンを Perl 互換の正規表現 (PCRE) として扱います。 > > ここは、2.21 から 2.25 で、原文が "Interpret (改行) .I PATTERN" から > "Interpret the pattern" に変更されているのですね。ですから、「パターンを」 > になるのも当然なのですが、訳文では ".I PATTERN" に戻してもよいのではないかと > 思います。-E, -F, -G の説明と形式が揃いますから。 これは原文を尊重してそのままにしたいと思います。 > ○ -f FILE, --file=FILE > > Obtain patterns from FILE, one per line. If this option is used > multiple times or is combined with the -e (--regexp) option, > search for all patterns given. > > パターンを FILE から 1 行 1 パターンとして読み込みます。 このオ > プションを複数回使ったときや、 オプションと組み合わせたとき > は、与えられたすべてのパターンを検索します。 > > 「オプションと組み合わせた」の前の ".B -e", ".RB ( \-\^\-regrep)" が > 消えています。 .B \-e .RB ( \-\-regexp ) を追加しました。 > -- > 長南洋一 > > _______________________________________________ > linuxjm-discuss mailing list > linux****@lists***** > http://lists.osdn.me/mailman/listinfo/linuxjm-discuss -- Masakazu Takahashi (emasaka)