[JM:00875] Re: GNU sed manpage 翻訳について

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Jiro Matsuzawa jmats****@gnome*****
2013年 4月 10日 (水) 01:18:23 JST


松澤です。


2013/4/9 長南洋一 <cyoic****@maple*****>

> 長南です。
>
> 自分の文章を批評されるのは、ご不快なものでしょう。でも、他人の目で
> 見て、どのあたりが問題になりそうかを、前もって洗い出しておくために
> やることですから、お心広く構えていてください。翻訳は、結局読者という
> 他人に見せるものですから。
>
> Matsuzawa さんのメールより [JM:00872]
> >
> >> ○ DESCRIPTION から
> >>
> >> >   ... sed works by making only one pass over the input(s), and
> >> >   is consequently more efficient.
> >>
> >> >   sed は入力に対して 1 パスだけで動作するので、より効率的である。
> >>
> >>   前の翻訳もこうなっていますが、「1 パス」は日本語としてまだ無理なの
> >>   ではないでしょうか。どう言えばよいのか、わたしにはわかりませんし、
> >>   こう訳しておくよりないのかもしれませんけれど。
> >
> > それでは「ワンパス」といたします。これなら日本語としても問題ないでしょう。
> > http://ejje.weblio.jp/content/one+pass
>
> 「パス」というカタカナ語のこういう使い方が、日本語としてまだ熟して
> いないと思うのです。英語の make one pass は日常語でしょう。でも、
> 日本語の「ワンパス」は日常語とは言えません。
>
> ここでは、具体的にはどういうことを言っているのでしょうか。そちらから
> 考えて行けば、もしかすると、誰にでもわかる訳ができるかもしれません。
> もっとも、「パス」でも仕方がないのかなとも思っています。
>
> 今ふと思いついたのですが、
>
>   sed は入力全体に対して 1 回動作するだけで作業を済ますので、
>
> といった訳では、しっくりしないのでしょうか。そう書いたそばから、直前に
> 「sed  は編集スクリプトを使える (ed のような) エディタといろいろな面で
> 似ているが」という文章があるぞ。ed のスクリプトだって、1 回動作させる
> だけで作業を済ませられるんじゃないのか、と思ってしまいますけれど。
>

http://ejje.weblio.jp/content/one+pass
こちらの上記のリンクを既に紹介しましたが、
 --------
研究社 英和コンピューター用語辞典
one-pass
―【形容詞】
ワンパスの《ある処理について, 入力データを通して読むのが 1 度だけである; 処理にかけるのが 1 度だけですむ》.
--------
とあり、sed使う程度の人なら誰でも理解できるでしょう。

他にも以下の通り挙がっており、用語として定着しております。
--------
JST科学技術用語日英対訳辞書
one‐pass
ワンパス
--------
--------
日英・英日専門用語辞書
one-pass
ワンパス
--------
--------
クロスランゲージ 37分野専門語辞書
one pass
ワンパス; 一パス
--------
Weblio英和対訳辞書
one-pass
ワンパス
--------
確かにこれは専門の用語辞典掲載のものであり、「日常語」ではないでしょうが、
GNU sedのmanpageが、専門用語を使わずに「日常語」で構成されているなんてむしろ不自然です。





> >> >   -e script, --expression=script
> >> >
> >> >       add the script to the commands to be executed
> >>
> >> >       実行するコマンドとして script を追加する
> >>
> >> >   -f script-file, --file=script-file
> >> >
> >> >       add the contents of script-file to the commands to be executed
> >>
> >> >       実行するコマンドとして script-file の内容を追加する
> >>
> >>   「実行するコマンドに ... を追加する」でもよさそうな気がします。
> >
> > 「実行するコマンドに script-file の内容を追加する」 は違和感があるので、
> > これはそのままとさせていただきます。
> > 「として」はsed自体の--helpから取ってきたのですが、
> > sed翻訳者の方も同じく違和感を感じてこうしたのだと推測します。
> > コマンドを追加するのであって、コマンドに追加するというのが、一瞬
> > 引っかかる感じです。
>
> そもそも add に違和感があるのだと思います。原文の著者は、sed に
> コマンドを指定するのは当然だと考えているのではないでしょうか。
> そこで、「add ... to (に追加する)」になった。また、-e を複数回使う
> ことも考えていると思います。
>
> > コマンドだと「commands」と「command」を区別できないからだと思います。
> > 「コマンド群」とすれば意味的にはよいのですが、これも表現としてクドすぎます。
> > sed翻訳者の方の「として」は、なかなか上手いと思います。
>
> そうですね。読み返してみたら、「として」で悪くないと思えてきました。
>

 ご理解ありがとうございます。





> >> >   --follow-symlinks
> >> >
> >> >       follow symlinks when processing in place
> >>
> >> >       インプレース処理においてシンボリックリンクを辿る
> >>
> >> >   -i[SUFFIX], --in-place[=SUFFIX]
> >> >
> >> >       edit files in place (makes backup if SUFFIX supplied)
> >>
> >> >       ファイルをインプレース処理で編集する (SUFFIX  指定時はバックアッ
> >> >       プを取る)
> >>
> >>   「インプレース処理」は説明がないと、読者にわかりにくいと思います
> >>    (もっとも、この manpage は「すでに sed を知っている人への備忘録」だ
> >>    そうですから、「インプレース処理」でよいのかもしれませんが)。ついでに
> >>    言うと、二番目の方は in place だけですね。「インプレース」について
> >>    訳注を付けておいたら、どうでしょうか。
> >
> > まず、二番目が「インプレース処理」となっているのは意図的です。
> > 一番目と二番目が同じものを指していることを明確にするために表記を揃えました。
> > あと、訳注は不要だと考えます。意味的な曖昧性もありませんし、十分理解可能です。
> > 却ってごちゃごちゃして読みづらくなると思います。
>
> 「インプレース」も日本語として熟していないのではないでしょうか。
> manpage は sed について知りたいときに最初に読むものですから、初心者にも
> わかる表現がよいと思うのです。要するに、「結果を標準出力に出力するの
> ではなく、ファイルを直接書き換える」ということでしょう。だったら、
> そう書いてしまったらどうか、とも思うのですが、「インプレース」という
> 言葉を今まで知らなかった人に知ってもらいたいし、とも考えます。難しい
> ところです。で、妥協として、訳注を考えたわけです。
>

既にご存知のはずですが、
「これは sed コマンドのごく簡単な概要であり、
既に sed を知っている人向けの備忘録程度のものである。
より詳細な情報については、他の文書 (texinfo 文書など) を参照すること」と
はっきりと明記されているとおり、
GNU sed のmanpageは既にsedを知っている人向けに作られています。
このmanpageの最大の売りは、ポイントが簡潔にまとめられていることです。
訳注などを補ってだらだら説明しないと理解できないような、sedを初めて触る人はこのmanpageの想定読者ではありません
 (これに異議があれば原文側に報告することをお勧めいたします)。
そういう人にはより詳しいinfoを参照してくれと書いてあるので、それで十分でしょう。

原文の明示的な意思表示を無視して、初心者向けに改めるなどちょっと受け入れ難いところがあります。
せっかくのmanpageの売りが台なしになってしまいます。




>
> >> >    -l N, --line-length=N
> >> >
> >> >       specify the desired line-wrap length for the `l' command
> >>
> >> >       l コマンドの行を折り返す長さを指定する
> >>
> >>   「l コマンドの」の「の」が曖昧だと思います。「l コマンドを使用する際に」
> >>   「使用する際の」「使用時の」など、いろいろありそうです。
> >
> > lコマンド使用時の~、ではないんです。
> > lコマンドの折り返し文字数指定なんです。
> > lコマンド使用時の~だと、まるでlコマンドを使用したら
> > 出力がその文字数で折り返されてしまうように読めるので、
> > 明らかにミスリーディングです。
>
> あれっ、そういうことではないのですか。「l コマンドの使用時にその出力行が
> 何文字で折り返えされるかを指定する」ということだと思っていました。事実上
> sed 'l N' と同じことだと。
>
> > どこらへんが曖昧なのかはよく掴めていませんが、
>
> 「l コマンドの (行を折り返す長さ) を指定する」ではなく、「(l コマンドの行)
> を折り返す長さを指定する」とも読めてしまうということです。「l コマンドが」
> でも、曖昧さはなかったと思います。
>
> > 「`l' コマンドの出力行を~」と修正しました。
> > これでいっそう明確になったかと思います。
>
> これならはっきりしますね。ただ、今度は「出力行を折り返す長さを」と
> 「を」が続くのが (^^;;
>

ご理解ありがとうございます。
「を」は問題ないでしょう。




> >> >   -s, --separate
> >> >
> >> >       consider  files  as  separate rather than as a single continuous
> >> >       long stream.
> >>
> >> >       複数の入力ファイルを一連のものとして扱わずに個別のファイルとして
> >> >       扱う
> >>
> >>   「一連の」には複数のニュアンスがあるので、a single continuous の意味が
> >>    出ないと思います。
> >
> > 「一続きのストリーム」としました。
>
> それなら、単一のものという感じが出ますね。もっとも、「ストリーム」が
> 日本語として熟しているかという話がまた出てきてしまうのですが、これは
> 仕方がないというか、使えないと不便すぎる気がします。
>

 単一のものという意味です。




>
> >> >   GNU sed home page:  <http://www.gnu.org/software/sed/>.   General
> >>  help
> >> >   using  GNU software: <http://www.gnu.org/gethelp/>.  E-mail bug
> >> reports
> >> >   to: <bug-s****@gnu*****>.  Be sure to include the word  ``sed''
> >>  somewhere
> >> >   in the ``Subject:'' field.
> >>
> >> >   GNU sed  ホームページ:  <http://www.gnu.org/software/sed/>。GNU  ソフト
> >> >   ウェアを使用する際の一般的なヘルプ: <http://www.gnu.org/gethelp/>。電子
> >> >   メールによるバグレポートの宛先: <bug-s****@gnu*****>。「Subject:  」フィー
> >> >   ルドのどこかに「sed」を記載してください。
> >>
> >>   この部分は、Author セクションと重複しているのですね。Author セクション
> >>   の方を削除してしまえばよいと思います。po ファイルでそれができればですが。
> >
> > うーん、原文に存在するので、原文の方を尊重しようと思います。
> > これが存在することで何か問題が発生するわけでもないでしょうし。
> > 削除するなら、まずは原文からですね。
>
> 原文にケアレスミスがあるとき、それを修正するのも翻訳の仕事のうちです
> から、消してもよいと思います。でも、おっしゃるとおり、あっても問題が
> あるわけではありませんから、残してもよいと思います。
>

ご理解ありがとうございます。



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