“フレームサーバ” Express5800/S70 分解レビュー
メモリとHDDの増設が終わったところで、OSをインストールすることにします。今回は「Ubuntu 8.04 LTS日本語デスクトップ版」をインストールすることにしました。Ubuntuのデスクトップ版はライブCDになっていて、CDから起動してそのまま利用することも、HDDにインストールして利用することもできます。
UbuntuライブCDの起動メニューには「Ubuntuをインストール(I)」という項目がありますが、「コンピュータに変更を加えないでUbuntuを使ってみる(T)」を選択した場合でもデスクトップ上からインストーラを起動してHDDにインストールすることができます。実際は、インストール中にWebブラウザ等が利用できるので、こちらのほうが便利です。
なお、起動メニューにある「メモリテスト(M)」という項目を選択するとMemtest86+が起動しメモリのテストが実行されます。メモリの増設時のテストにはこれを利用しました。
「コンピュータに変更を加えないでUbuntuを使ってみる(T)」を選択してライブCDから起動すると図24のデスクトップ画面が表示されます。インストールを開始するには、画面左上にある「インストール」アイコンをダブルクリックしてインストーラを起動します。
Ubuntuのインストーラは初心者にも分かりやすいように作られているのでつまづくような個所は特にないでしょう。基本的にはインストーラまかせで大丈夫です。Linuxは、少し前まではSATAドライブの扱いに難がありましたが、最新のディストリビューションであれば特に問題はないはずです。今回は事前にSATAコントローラをAHCIモードに変更しておきましたが、まったく問題なくHDDを認識してくれました。
Mac OS XやWindows Vistaでは、デスクトップアイテムを操作した際のアクションに3D効果が取り入れられていますが、こうした3Dデスクトップ効果はLinuxでも利用できます(時期的なことを言うと、LinuxではVistaが登場する以前から利用できました)。登場した当初は手動で設定ファイルを書き換えたりしないと利用できなかったのですが、現在では比較的簡単に3Dデスクトップをセットアップすることができます。
3D機能を備えたグラフィックスカード(あるいはチップセット内蔵グラフィックス)を備えていることが前提になりますが、S70にはエントリークラスながらも3D機能を備えたグラフィックスカードが装着されているので、これを利用して3Dデスクトップを設定することにします。
最初に、NVIDIAのプロプライエタリドライバをインストールします。Ubuntuのインストーラがインストールするオープンソースのドライバではカードの3D機能が利用できないためです。プロプライエタリドライバをインストールするには、メインパネルにある「システム」メニューから「システム管理」→「ハードウェア・ドライバ」を選択します。
「ハードウェア・ドライバ」の画面には、PCに装着されているデバイスで利用可能なプロプライエタリドライバがリストアップされます。ここでは「NVIDIAの高性能グラフィックスドライバ」の「有効にする」をチェックしてください。すると、ドライバインストールの確認画面が表示されるので、「有効にする」をクリックします。これでドライバのダウンロードとインストールが実行されます。インストール後はシステムの再起動が促されるので、マシンを再起動してください。
グラフィックスカードのプロプライエタリドライバをインストールして再起動すると、デスクトップ効果が標準で有効になります。ただし有効になるのはメニューのフェードイン/フェードアウトやウィンドウを最小化するときのアニメーションなど一部の効果のみです。より多くのデスクトップ効果を有効にしたい場合には、「システム」メニューから「設定」→「外観の設定」を選択し、「視覚効果」タブで「追加効果」をチェックしてください(初期状態では「標準効果」がチェックされています)。
これで、ウィンドウをドラッグすると移動に合わせてウィンドウが変形したり、デスクトップの枠に吸着したウィンドウを移動させるときに変形したりするようになります。