ビルド方法

1. 前提環境(パッケージ)

  • 本配布は Linux 上にて構築することを想定しています。Unix 互換環境でもビルドできると思いますが検証はしていません。
  • 本配布ではビルドのために、標準的な開発ツールとして Cコンパイラおよび make を必要とします。
  • さらに以下のツールまたはパッケージが必要です。
    • Docbook XML DTD 4.5 (4.5 は必須です)
    • Docbook XSL stylesheets
    • xmllint (libxml2)
    • xsltproc (libxslt)
    • tidy (HTML Tidy-cvs)
  • また tarball 解凍のために tar, bzip2 が必要です。
  • Subversion リポジトリから最新のソースを入手する場合には Subversion が必要です。
  • 開発編集作業を行う場合は autoconf (2.64)、automake (1.11) が必要です。(単にビルドするだけなら、それらは不要です。)
  • 例えば Debian の場合、追加でインストールすべき主要なパッケージは、docbook-xmldocbook-xslxsltproclibxml2-utilstidy となることを確認しています。他のディストリビューションの場合はこれを参考として必要パッケージを確定してください。
  • Cygwin をお使いの場合は、ビルド方法(Cygwin) を参照してください。
  • LFS が既に構築済である場合は、これも本配布をビルドする環境として利用することができます。その場合は BLFS (Beyond Linux From Scratch) ブックに説明されている、DocBook XML DTD-4.5DocBook XSL Stylesheetslibxml2libxsltHTML Tidy-cvs をソース入手してビルドすることで環境構築できます。このことは他のディストリビューションでも通用する話で、他のディストリビューションにて追加インストールすべきパッケージが不明であったり、自前でソースから構築することに支障がないのであれば、BLFSの手順に従ってソースからビルドしていけば、確実にビルド環境を構築できます。

2. ソースの入手

  • 本配布のソースを入手します。安定版とSVN版があります。いずれの版も鋭意開発を続けており、その最新は本サイト内の Subversion リポジトリより入手することもできます。
  • なおオリジナルのSVN版は SVN-20090819 などによりバージョン表記がなされており、本配布でのSVN版もそれに追随して構築しています。SVN-20090819 などのバージョンをチェックしているため、オリジナルと本配布のバージョンが異なる場合には、ビルドができないことがあります。ビルドできないのは開発者がまだ最新バージョンへの追随を行っていないことを示しています。

3. ビルド手順

  • 本配布のソースを適当なディレクトリに展開(解凍)します。VER はバージョンを示します。安定版の場合は 6.8 など、SVN版の場合は SVN となります。
    % cd /usr/local/src
    % tar -xf /path/to/download/lfsbookja-VER.tar.gz
    
  • 安定版の場合、LFS ブック XML ソース安定版を、上記と同じディレクトリに展開(解凍)します。(安定版のバージョンが6.8の場合)
    % cd /usr/local/src
    % tar -xf /path/to/download/LFS-BOOK-6.8-XML.tar.bz2
    
  • SVN版の場合、LFS ブック XML ソース SVN版を、上記と同じディレクトリにて Subversion によりチェックアウトします。(チェックアウト場所は /usr/local/src では不適切かもしれません。適宜選定ください。)
    % cd /usr/local/src
    % svn co svn://svn.linuxfromscratch.org/LFS/trunk/BOOK
    
  • 本配布のソースディレクトリに入って configure, make を実行します。VER はバージョンを示します。安定版の場合は 6.8 など、SVN版の場合は SVN となります。
    % cd /usr/local/src/lfsbookja-VER
    % ./configure && make
    
  • 特に開発者の場合はソースディレクトリにて configuremake するのではなく、別のビルドディレクトリを生成してそこで実施すれば、ソースファイルと混在することなく、すっきりとビルド作業およびソース管理ができますのでお勧めします。この場合はオリジナルの XML ソースディレクトリを指定する必要があるため configure のオプション --with-bookdir を指定することになります。これについては後述しています。
    % mkdir ~/lfsbookja-build
    % cd ~/lfsbookja-build
    % /usr/local/src/lfsbook-ja-VER/configure --with-bookdir=/path/to/originaldir
    % make
    
  • 現時点において make install は整備できていません。上の make コマンド実行により、ソースディレクトリ配下に 6.8.ja などのようなサブディレクトリが生成され、そこに HTML ソース一式が生成されます。これが成果物となります。
  • configure のオプションとして --with-bookdir を設けています。デフォルトでオリジナル XML ソースツリーは、本配布のソースツリーと横並びの場所に配置するものとしており、さらにディレクトリ名を固定的に決めうちしています。--with-bookdir オプションを指定すれば、そのディレクトリパスを変更することができます。